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地質教材研究
「足羽三山の地質と笏谷石(しゃくだにいし)について」

吉澤 康暢
福井県教育研究所研究紀要,第69号,111-118貢,1976年3月別冊に加筆補填

 

明瞭に残っている手掘り痕(撮影:1999年11月 七ツ尾採掘坑道内)

 

 最近の笏谷石採掘は,チェーンソーに似た機械や丸鋸様の機械堀である。このような採掘による笏谷石の採掘断面は,滑らかで凹凸がないのが特徴である。ここ七ツ尾旧坑道内部の笏谷石の採掘表面には無数のツル,ノミ,クサビの痕がはっきり残っている。また,尺六を1本ずつ上部より切り出した痕跡も明瞭に残っている。機械ではなく,人間の辛抱強く長い時間をかけた手作業の痕は規則正しくあまりにも美しい。延々と続く横坑,大きな空洞,堀り残された無数の柱,そして底が見えない深い縦坑,何れも長い採掘の歴史として胸に重く響く。洞窟内部であるためほとんど風化を受けず,生々しく残るツルの堀痕を見ていると,洞窟の暗闇の中からツルの音と共に,今にも当時のふしぎ達が現れてくるような気がする。  笏谷凝灰岩層の厚さは約100mほどあり,数回の大規模な火砕流の流れにより堆積したと考えているが,これほど大量の火山灰や火山礫が堆積していること自体大変な驚きである。当時の火山噴火が人間の想像をはるかに越える規模であり,高温の火山灰がどのような状態で存在し,どれくらいの時間をかけて冷えたのか大変興味のあるところである。私たちは,このような大地を揺るがす大噴火の変動が,福井市民の憩いの場所であり,緑豊かなこの足羽山付近で実際にあったのだということを認識しておかなければならない。

 

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